噺家名鑑その4「五街道雲助」

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五街道雲助(ごかいどう くもすけ)

1948年 3月2日生れ 
東京都墨田区出身 本名は若林恒夫(わかばやし つねお) 
1968年2月 10代目金原亭馬生に入門 前座名「駒七」 
1972年11月 二ツ目昇進「五街道雲助」と改名 
1981年3月 真打昇進 
2013年現在、落語協会理事 
文化庁芸術祭大衆演芸部門優秀賞受賞 

現在の落語界を引っ張るトップランナーで、柳家小さん門下でも、古今亭志ん朝門下でもない代表格がこの「雲助」だ。10代目金原亭馬生の弟子として、現在は独自の確固たる地位を落語界に築きながらも、近年の若手落語家の筆頭格の桃月庵白酒や隅田川馬石、蜃気楼龍玉を輩出した名師匠としても知られている。若い落語ファンが白酒師などからその師匠の「雲助」を遡ることで、ハマる人が続出するという現象さえ生まれている。

決して派手さはないものの、そこが実は最大の魅力として機能していることは間違いない。一見してこれといった特徴のないことを「平凡」というのかもしれないが、「雲助」の特徴のなさは、アクや癖のなさと言ってもいい。素直に、そして自然と師の描き出す世界に没頭できる。落語は、噺家の人生や人となりが投影されるものとする向きが強い昨今、「雲助」は自身を強く出さないタイプと思われることも多いかもしれないが、それは大きな誤解だ。

まるで芝居を観ているようだと評されることの多い師の芸は、その点で賛否分かれるところだか、師のカンヴァスの果てない白さこそ、師の芸の極致であり、鍛錬の賜物であろう。正統派としての落ち着いた佇まい。聞き取りやすい、柔らかでも確かな口調。そして、「華」よりも、「地に足の着いた」揺るぎなさが勝るイメージが、まさに師の芸そのものだ。

大ネタを得意としているイメージ通り、このシリーズではたっぷりと普段寄席では聴くことのできない長講釈のネタを通しでお届けする。実は、学者肌のように思われる師の高座にじっくりと耳を傾けると、かなり毒の強い側面がみられるのも事実。そんな側面が潜んでいることも、師の支持の高さの秘訣ではないかと、改めて思う。

実は落語界きってのパソコン通として、ホームページ開設も早い時期から行っており、その側面は広く知られている。


本格 本寸法 ビクター落語会 五街道雲助 其の壱 双蝶々・通し 「長屋」「権九郎殺し」 / 「雪の子別れ」
ビクターエンタテインメント 2013.8.28 DVD VIBF-5485 2,667円+税

本格 本寸法 ビクター落語会 五街道雲助 其の弐 宮戸川・通し/よかちょろ
ビクターエンタテインメント 2013.10.28 DVD VIBF-5501 2,667円+税