噺家名鑑その11「橘家文左衛門」

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橘家文左衛門(たちばなや ぶんざえもん)

1962年 3月25日生れ 東京都江戸川区出身 本名は込山豊男(こみやま とよお)
1986年10月 橘家文蔵に入門 
1986年3月 前座となる 前座名「かな文」
1990年9月 二ツ目昇進 「文吾」と改名
2001年9月 真打昇進 「文左衛門」に改名

背丈こそ決して大きくないけれど、がっしりとした体格、リーゼント風の髪型、威勢よくタンカをきる口調。 そんな強面の豪快キャラで、現在の落語界において異彩を放っているのが、この「文左衛門」だ。

ただ、何度も高座に触れ、じっくりと味わい続けていると、単に豪快キャラが乱暴者を地で行っているのではないことがよく分かる。 いくら乱暴者を演じても「文左衛門」の高座からは、ほんのりとあたたかいものを感じることが出来る。それは、一見して豪快なキャラとは裏腹な真面目で繊細な一面だ。

随所に盛り込まれるギャグはあくまでも破天荒ではあり、その破壊力は凄まじいものがあるが、噺は緻密に構築され、細かな演出も随所に見られる。 その配慮が登場人物にリアリティを持たせ、目の前でいきいきと動き始める。

荒くれ者と見せながらも、実は奥底に繊細さを隠し持つ。その二面性が「文左衛門」の最大の魅力であることは間違いない。

今回発売のDVDに収録されるネタは、乱暴者が登場する「らくだ」と、軽い前座噺の「青菜」。 「らくだ」の乱暴者の豪快さ加減はハマりすぎていて笑いを誘うが、「青菜」に出てくる植木屋夫婦のばかばかしい会話も妙に愛らしくて、笑わずにはいられない。

入船亭扇辰師、柳家小せん師とのトリオバンド「3K辰文舎(さんけいしんぶんしゃ)」をはじめ、パンクバンド「THE黒KARA」のボーカル&ギター担当するなど、 多方面で活躍しているが、歌声や、ステージングからも人柄が滲み出ている。


橘家文左衛門 其の壱
本格 本寸法 ビクター落語会 橘家文左衛門 其の壱 らくだ/青菜 ビクターエンタテインメント 2013.9.28 DVD VIBF-5488 2,667円+税