噺家名鑑その13「隅田川馬石」

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隅田川馬石(すみだがわ ばせき)

1969年、兵庫県西脇市に生まれる。
サラリーマン生活を経て、1991年に石坂浩二主宰劇団「急旋回」に入団。
舞台俳優としてのキャリアを積むが劇団で落語と出会い、1993年に五街道雲助に入門、前座名は「わたし」。
1997年、二ツ目に昇進し「佐助」と改名。
2007年、真打昇進と同時に四代目隅田川馬石を襲名。
2007年第12回林家彦六賞、2012年第67回文化庁芸術祭大衆芸能部門新人賞受賞。
圓朝作品や長編人情噺にも積極的に取り組んでいる。
出囃子は「岸の柳」。

隅田川馬石師は変幻自在だ。
圓朝作「真景累ヶ淵」などの長編にじっくり取り組むイメージと、「元犬」のようなさらりとした噺で脱力させてくれるというイメージの両方をもっている。
聴く側の好みにより、師にいだくイメージは様々だ。

若い頃から落語にどっぷり浸かって噺家を目指したのではなく、舞台俳優としてのキャリアを持つ異色の出自。
しかし、師の高座にはその経緯がしっかりと息づいている。

長講では緩急を自在に操り、多くの登場人物の輪郭がしっかりと立ち上がらせる。
滑稽噺では、愛くるしささえ感じさせる人物をさらっと演じ切る。

ビクター二八落語会CDシリーズに収録された「元犬」「崇徳院」「甲府い」の三席は、いずれも師が長い時間かけて大切に育ててきた噺だ。
それぞれに強い思い入れや、思い出があり、その年輪が師の温かい人間性と共に滲み出ている。

高座から受ける穏やかで人のよさそうな印象は、オフステージでも変わらない。
ここまで印象が同じ噺家も珍しいのではないか。

温かくも丁寧な語り口によって、じっくりと練られた世界を描き出す。
聴く者をリラックスさせ、落語の世界へ誘い、そして心地よい後味を残してくれる馬石ワールドは、クセになる。

ビクター二八落語会CD
~究極の音にこだわる落語シリーズ
baseki
アーティスト:隅田川馬石
収録演目:「元犬」「崇徳院」「甲府い」
フォーマット:CD
価格:¥2,454+税
品番:VICL-64253
発売日:2014年11月19日
※iTunes他にてCD発売と同日配信スタート!